NishiNoSeki/Kayashima Sake Brewing Co.Ltd
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Nishi No Seki & I ●第15回 【酒の五味と秋あがり
●「西の関と私」は、平成7年大分銀行の大銀経済研究所が発行した「おおいたの経済と
 経営」誌に、連載したものを集録しています。
●はじめに .

 酒には五味ありと言われている。甘・酸・辛・苦・渋、すなわちあまい、すっぱい、からい、にがい、しぶいの5つの味である。もともと、日本酒の味は複雑微妙なこと、世界の酒の中でも特徴的であり、分析化学の発達した現在では無慮数百の成分と言われているが、大雑把に五つの味でくくって表現されている。甘口、辛口の好みはあるが、酸っぱ過ぎても飲めない。苦みや渋みが多すぎても飲めたものではない。しかし酸や、苦み、渋みがないとこくのない薄ぼけた味となる。旨い酒にはならないのである。五味が混然一体となった調和こそ酒の醍醐味で、飲めば飲むほど旨くなる酒である。私はこんな酒を「五味一如」<※1>と造語して楽しんでいる。多様のものが一体化した調和こそ目指すところであろう。
 
 ところが今は錦秋の秋、酒に「秋上がり」という言葉があるが、この時期である。春に出来た酒が夏の炎暑の下で酒蔵に眠り、秋風とともに貯蔵温度が下がってくると不思議にぐっと旨味とこくが増すのである。このころから正月にかけてが酒の一番の需要期に入るわけで誠にありがたい現象である。


秋季限定「紅葉秋あがり」
 若山牧水の歌に「秋風や、大和の国の稲の穂の酒の味わい日にまさりけり」の歌がある。さすが愛酒家牧水の面目躍如たるものがある。「白玉の歯にしみ通る秋の夜の酒は静かにのむべかりけれ」の歌も有名である。秋上がりの酒をイッキ飲みではなく、楽しく飲んでいただきたいものである。
<※1>一如(いちにょ):ひとつになって分かれないこと。
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第1回:創業
第2回:絵との出会い
第3回:サイクリング旅行
第4回:七高と東京大学進学
     と東京大空襲
第5回:戦後の再出発
第6回:親子の杜氏、
     中村千代吉と繁雄
第7回:吟醸酒市販の
     さきがけ
第8回:吟醸酒が何故市販
     されなかったのか?
第9回:当社の吟醸酒市販の
     動機
第10回:「秘蔵酒」と命名
第11回:秘蔵酒発売後の経過
第12回:酒の手造りとは
第13回:酒造り唄
第14回:酒屋の主人の役割
第15回:酒の五味と秋上がり
第16回:結婚式の酒
第17回:「キウイフルーツ
      ワイン」の製造
第18回:恩師・坂口謹一郎
     先生のこと
第19回:地域密着
第20回:海外出荷
第21回:吟醸酒と普通酒の
     今後について
第22回:最近の業界動向
第23回:結び
四代目 萱島 須磨自
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